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全卵派?卵黄派?

2010.02.18 (Thu)

それは、僕がイタリアに行って間もないころのコト。
ようやく片言のイタリア語を話せるようになり始めた時に、事件は起きました。
厨房にはシェフと若いコック、そして僕の3人が働いていました。
仕込みをしている僕の背後で、シェフとコックが何やら言い争っています。
その言い争いは更にヒートアップし、大絶叫の大ゲンカに発展。
僕は仕込みの手を止め、2人の仲裁に入ろうと慣れないイタリア語で声をかけました。

:「ドーシタノ?」
シェフ:「どーもこーも、カルボナーラに全卵を入れるって言うんだよ!」
コック:「いやいや、シェフこそ卵黄だけだなんて言ったじゃないか!」
シェフ:「全卵を入れる意味がわからない!!」
コック:「全卵を入れるとクリーミーに仕上がるじゃないか!!」
シェフ:「卵黄だけの方が濃厚なんだよっ!!」
コック:「(僕に向かって)お前はどう思う?」

正直分かりませんでした。
どっちが正しいかも分からないし、言葉にしたくても単語が分からないし。
しかも、こんなエキサイトした状況でどう答えれば良いんだろう・・・?
あ、そうだ!邪道だろうけど日本では生クリームを加えたりもするな!!
よし!とりあえずケンカの仲裁だし、コミュニケーションをとるためにもこう答えよう。
とでも思ったのでしょうね。
イタリアの右も左も分からなかった当時の僕は、あまり深く考えずにこう答えてしまいました。

:「ウ~ン、リョウホウ?」
シェフ&コック:「!!!」
:「ニホン、ナマクリーム、イレル。」
シェフ&コック:「ありえな~いっ!!!」
シェフ:「イタリア料理っていうのは、家庭によって作り方が色々あるの!!」
:「・・・。」
コック:「そうそう。ただし、生クリームを入れるなんて気持ち悪いっ!!」
:「・・・。」

あの時のコトは今でも鮮明に覚えてます。
いや、ホントに泣きそうな気持ちになりましたよ(笑)。
片言だっただけに、思っているコトをうまく伝えられず、挙句の果てには僕が標的に!!
あとは2人で僕を総攻撃、いや総口撃・・・。
ほとんど内容は聞き取れませんでしたが、イタリア語がまだ分からない時で良かったと
思えます。
今思い返しても恐ろしい光景です(笑)。

そこで教訓。
・イタリアでは余計な話に首を突っ込むな。
・イタリアでは良かれと思うと大抵悪い方向にいく(笑)。
・知らないコトは知らないと潔く答える。
・その国の言葉は早く身につけよう。
・間違ってもカルボナーラには生クリームを入れない(笑)。

ちなみに、長いイタリア生活を経験して言えるのは、こんなのは別にケンカでも何でもないっていうコト。
イタリアでは日常茶飯事のディベートの様なモノだったんです。

ま、こんなコトもあったおかげか(?)、この直後からいっきに2人との距離も近くなり、イタリア語もみるみる上達していきました。
けがの功名とでもいうのでしょうか、こんなコトもあるんですね♪

<おまけ>
*カルボナーラはラツィオ州の郷土料理で、家庭やお店によって作り方は様々。
 卵黄でも全卵でもOKです。(※生クリームは入れません!!
*のちに知ったコトなんですが、シェフはリグーリア州出身、コックはトスカーナ出身。
 2人ともラツィオ州には縁も所縁もありません(笑)。
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