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SPECIALITA~思い出の一皿~

2010.05.30 (Sun)

『sformato(スフォルマート)』。
僕の思い出の一皿。
『specialita(スペチャリタ)』です!!
と言うのも、このスフォルマートが僕のイタリアで初めて任された料理なんです。

パプリカのスフォルマート

(注:長文ですが、今回は我慢して最後まで読んでください。)

僕が初めてイタリアで働いたお店はトスカーナの山の中のお店。
イタリア語はおろか、イタリアの右も左も分からなかった当時、偶然にも雇ってくれるお店がありました。
当然のコトではあるのですが、最初は調理どころか雑用ばかりの日々。
わざわざ知らない国へ来て何故こんなコトばかりやらなければならないのかと、不満が募る一方でした。
雇ってもらえただけでも幸運なコトなのに。
実力社会のイタリア、自分の居場所は自分で掴むモノ。
それは分かっていたのですが、なかなか勇気が出せず、苦悩の日々を過ごしておりました。
ある日勇気を振り絞り、シェフにひと言。
「オレ、イタリアニキタ!リョウリシニキタ!ソウジチガウ!」
おそらくこんな感じの片言のイタリア語で。
続けざまに、覚えたての汚い言葉をならべ(今思うと恐ろしいくらいの暴言だったと思うの
ですが・・・汗。)、シェフに調理がしたいと猛アピール!!
流石に温厚なシェフも、半分逆ギレしながら(もしくは、単に暴言に対して怒ったのかは
分かりませんが)、「じゃぁ、お前は何かイタリア料理を作れるのか?」と。
僕も引くに引けず、「アァ!モチロンツクレルトモ!!」と。
そこでシェフから出された課題料理が、今回ご紹介したこのスフォルマート、
と言うワケです。
シェフだけでなく、お店のスタッフ全員が厨房に集まり、僕を見守ります。
当然僕は、目で見て盗んだ作り方で作り始めます。
過度の緊張と皆からのプレッシャーで、あぶら汗ダラダラになりながら作ったのを
思い出します。
それ以外は、どうやって作ったか手順すら覚えていない始末(笑)。
『なんとなくソレっぽいモノ』が出来上がり、皆が試食。
・・・。
沈黙が続きます。
シェフが一言「次にスフォルマートのオーダーが入ったらお前に任せるからしっかり
練習しておけ!」。
スタッフ全員で拍手喝采!!
僕は喜び以上に、安堵でほぼ放心状態(笑)。
その出来事があってから、徐々に任される料理の種類も増え、お店のスタッフ全員と
心を開いたコミュニケーションがとれるようになりました♪
思い返せば、シェフを含めお店のスタッフたちは僕の初作品の味ではなく、意気込みに賛同してくれたんだろうなぁ。
きっと、相当不味かったはず(笑)。

それからというと、僕はイタリアの3つのお店(他にシチリア州、エミリア・ロマーニャ州)で
働いたのですが、何故かどのお店でも最初に任されたのがスフォルマートだったんです。
単なる偶然なんでしょうが、僕なりに運命を感じてしまうこの料理。
思い入れの深いこの一皿を、この先もずっと僕のスペチャリタとして作り続けます!!
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